読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ときどき映画館日記

おためし中

恐喝こそわが人生/893愚連隊

松竹 1968年 東映 1966年

前者は文字通り恐喝で稼いでいる男、後者は「やくざ」ではなく愚連隊としてシノギを上げている男の話。立場的にはわりと似てる話だけど、深作欣二監督の「恐喝こそ」の方は、なんか青春物語っぽくもある。「893」の方は、もう一歩先に進んだような話というか、もうすっかり愚連隊生活を確立しているつもりだったのがちょっとゆらぐ、だけど・・みたいな話でよりシニカル。「恐喝こそ」は、佐藤友美さまが素晴らしくて、松方弘樹が公衆電話ボックスで電話かけるシーンが大好きなんだけど、いろいろ容赦ない(とくに天知茂演じる時代に遅れてしまった人について)、だけど最後にくるっと変化のある「893愚連隊」は、やっぱり大好きだな。

(天知さんの役は、惨めなシーンもあるけど、最終的には、好きな役。稲野和子もすごくいい。もみじの着物)

というわけで、中島貞夫監督には、すでにいろいろ(本とかDVDとか)サインをいただいてしまっているので、今日は「893愚連隊」DVDにサインをいただきました。時代劇ばかりの京都で、ずっと現代劇をやりたいといっていて脚本もいくつも書いた後、やっと通った企画だったとのこと。オールロケでやるというのも監督の提案。京都の町家が並ぶ道や、商店街や、鴨川のほとりで、洋装スーツの愚連隊がシゴトしてるのもおもしろい。
中島監督トークで印象に残ったのは、松方さんはせりふ覚えがよかったということ、鶴田浩二が一番でその次くらいらしいです。でも『暴力金脈』で数字ばっかりのせりふはちょっと苦労してたと。脚本もちゃんと読み込んでいて頭に入っていた、と。だけど、だからといって、現場でこうしたいとかああしたいと言うわけではない。そして、努力はいろいろしているのだけどそれを表に出すことはない、と。初対面の印象は軽い感じだったけど、中身は違う、そんな印象の松方さんだったとのこと。


新文芸坐の今回の特集は、追悼松方弘樹でもあり、伊藤彰彦氏によるこの本の刊行記念でもあり。もう読みおわりましたが、松方さんのいろんな仕事のことが書かれていて大変興味深い内容でした。